本記事は「ヒアルロン酸は塗るだけでもシワの改善が可能……かもしれない」というお話です。根拠は「ヒアルロン酸を2ヶ月塗り続けてシワを改善した 」という文献 (Pavicic, 2011) になります。
なお、記事の構成は「お肌に悩みを抱える助手」と「何事もてきと~なbon博士」のゆるゆる会話です。きっと会話だけでなく、そのロジックもゆる~いことでしょう。真偽は捨て置き、エンターテイメントとしてお楽しみください。
とはいえ無駄にエビデンスが散りばめられているため、記事を読み終えたとき、あなたはヒアルロン酸を塗らずには眠れない身体になるかもしれません。

なんの呪いだよ……
*なお登場するデータは、すべて文末の出典からの採用です。



レッツ、エビデンスの無駄遣い
ヒアルロン酸は塗ってもシワに効く、らしい



ねぇ、目元のシワを駆逐したいんだけど、ヒアルロン酸って注射しなくちゃダメ?



(また唐突な……)
実はヒアルロン酸は塗るだけでもシワが改善する、ってデータが報告されてるよ (2ヶ月かかるらしいけど……) (Pavicic, 2011)



えっ、塗るだけでいいの?
それってお肌の表面でヒアルロン酸がプルップルしてるように演出してるだけじゃないよね?
一回洗顔したらプルップルが全部リセットされて、シワが再び「コンニチワ!」しないよね?



さあ?
でも一応はヒアルロン酸は角質層へ浸透するって、間接的なデータが出てるよ (Pavicic, 2011)
この報告ではシミシミするんじゃないか?と推察されとる (あくまで推察)



ヒアルロン酸が角質層にシミシミかもしれない、だ、と……?



そう、そしてヒアルロン酸の保水力は 1gあたり1Lとバケモノ級(Hargittai, 2008)、なので、先の文献ではシミシミしたのち角質層で保水力を発揮し、その結果シワが改善したのではないか、という推理だったよ



推理の真偽はともかく、結果的にはシワが改善したってことが大事だよ、私にとっては
てことはさ、この韓国コスメブランド【NEOGENネオゼン】のブラックエナジークリーム (ヒアルロン酸入り)を使っても、お肌がシミシミのプルップルになる?



さぁ?
でも、もしそのスキンケア用品に文献と同じヒアルロン酸が配合されてるなら、似たような効果は期待できるかもね



同じヒアルロン酸?
ヒアルロン酸に種類があるわけ?



それは次の章で説明しましょう
この文献のポイントだよ
ヒアルロン酸入りクリームでシワの深さを改善|大切なのは小サイズ



いきなり結論ですが、シワの改善には比較的「小さいサイズ」のヒアルロン酸がより有効でした (Pavicic, 2011)



「小さいサイズ」のヒアルロン酸?
ヒアルロン酸にサイズの大小があるわけ?



あるよ
ヒアルロン酸ってそもそも、小さなパーツが何個も何個もつながった、長い鎖状の物質なんよ(高山, 1988)
でも、この鎖には「特定の長さ」が決まってないの



短い鎖も、長い鎖も、どちらもヒアルロン酸ってことね



そゆこと
だから、とあるヒアルロン酸をちょん切ったら、二本の短いヒアルロン酸ができちゃう



なんか金太郎飴みたいだな



まあ、イメージ的には「めっちゃ長い金太郎飴」でいんじゃない
んで、さっき言ったようにヒアルロン酸ってめっちゃ保水性が高いんだけど、この鎖状構造が絡み合うとさらに保水力が上がるそうな (平佐, 1996)



ひも状の鎖でいるより、丸めてボール状にすれば、より吸水できるようになるってわけね



そゆこと
んで、そのヒアルロン酸のボールにはサイズが大小さまざまあって、小さいほうがシワの改善に良き、という報告だったわけ (Pavicic, 2011)
ちなみに一番効果があったのは130kDa*のサイズのヒアルロン酸で、シワの深さが約11%改善したそうな



「ダルトン」なんて単位、初めて聞いたわ



難しくかんがえず、「大きさの単位」でOK
ちなみに、「1kDa (キロダルトン) = 1,000Da」ね
小サイズのヒアルロン酸がよく効く理由|角質層にシミシミする?



ヒアルロン酸は注射しないと効果がないと思ってたけど、認識を改めたほうがいいのか?



さあ?
まあ、「塗って効いた事例もある」って認識でいんじゃない
ヒアルロン酸がシミシミしたかどうかは著者自身も調べてないし
それに、「ヒアルロン酸は塗るだけじゃお肌に浸透しない」って報告もあったりする (Rieger, 1998)
つまりは、まだまだ未知の領域ってことですな



ふ~ん、今後の研究に期待ね
てか、「ヒアルロン酸がお肌に浸透しない」って報告の理由は何?



お肌表面の細胞の隙間は15~50nm (ナノメートル)とメッチャ小さい、対してヒアルロン酸ボールの直径は3,000nmとデッカイ、そんなデータ (Balaza, 1984)が引き合いに出されているね



つまりヒアルロン酸のサイズが大きすぎて、角質層の隙間から入れないってわけね



そう、でも今ではヒアルロン酸の大きさをある程度コントロールできるようになったと (それでもシミシミにはデカそうだけど……)
んで小さめサイズをお肌に塗ってみたら、シワの深さが改善したってのがさっきのお話



浸み込むはずのないヒアルロン酸、なのに改善したお肌のシワ……謎は深まるばかりね



そうね
まぁ、謎を解くには実際にヒアルロン酸が角質層へ浸透したか、直接確かめてみるのが一番だよね
一応、測定方法もあることだし



なんだ、じゃあ測定すれば良かったのに



ちなみに、「皮膚を切って、溶かして、そこに含まれるヒアルロン酸の量を直接測る」的な方法だけどね



そんなセンセーショナルな手法なら、確かめなくていいわ……
でもまあ、ヒアルロン酸系のコスメ品が「ナノヒアルロン酸」とか「低分子ヒアルロン酸」とか、「サイズが小さいこと」をPRしている理由がなんとなく分かった気がする
まとめ



今回の内容をおさらいしてみましょう
本記事のまとめ
- ヒアルロン酸は注射でなく塗るだけでもシワを改善したそうな (今回の実験ではシワの深さが約11%減った)
- シワの改善には「小さいサイズ (50kDa, 130kDa)」のヒアルロン酸がベターだった
- ヒアルロン酸の分子は「なっがい金太郎飴」みたいな鎖状構造、決まった長さ (大きさ)はない
- 小さいヒアルロン酸はお肌へ浸透しているっぽいデータだったが、その真相はナゾ



仕組みはよく分からないけど、ヒアルロン酸を塗るだけでも効果があった
これだけでも注射 (注入)に踏み切れない人にとっては朗報かもね



そうね
ただ、今回の実験はヒアルロン酸クリームを使い始めて2ヶ月目の結果だから、気長にスキンケアを続ける必要はあるかもね



2ヶ月かよ、世の中あまくないわ……
助手のおすすめコスメ屋さん→ 韓国コスメブランド【NEOGENネオゼン】


本日の出典
- 高山健一郎, ヒアルロン酸_その生産と応用, 化学と生物, 1988, vol. 26, No. 5, 308-315
- 吉野健一, 意外に知らない分子量と質量の単位の違い, 生物工学, 2013, 91, 464-468
- Pavicic T, et al., Efficacy of Cream-Based Novel Formulations of Hyaluronic Acid of different molecular weights in anti-wrinkle treatment, Journal of Drugs in Dermatology : JDD, 01 Sep 2011, 10(9):990-1000
- Hargittai I, et al., Molecular structure of yaluronan: an introduction. Struct Chem2008;19:697–717.
- 平佐興彦, 最も水をよく吸う高分子は, 高分子, 1996, 45, 6, 410-411
- Rieger M., Hyaluronic acid in cosmetics : A review of its chemistry and biochemistry, cosmetics and toiletries. 1998, Vol 113, Num 3, pp 35-42