本記事ではコーヒーミルを買ってはや13ヶ月、自宅でドリップを続けてきたレビューとメリットをお伝えしたいと思います。
学生時代はコーヒー苦手だったよね?
うん、苦手というか、食わず (?)嫌い
ちょうどあの頃全巻を読破した銀河英雄伝説の影響が大きかったね
リスペクトしてたヤン提督が、事あるごとにコーヒーを「泥水」などとディスってたのに便乗してた
罪な小説だな……
にしても、「泥水」を真に受けるとは多感なお年頃だったようで
てなわけで、アンチ・コーヒー勢すらも魅了してしまう魅惑の嗜好品「コーヒー」。その魅力の一つである自宅ミル&ドリップのメリットを中心に綴っていきたいと思います。
なお、今回紹介するメリットは以下の3つです。
- コストが10分の1
- 好みの味が分かる
- カフェイン中毒に陥る
これらのメリットを理解したとき、アナタはすでに「重度のカフェイン中毒予備軍に陥っている」ことでしょう。
おい全然メリットじゃないぞ、中毒って……
メリット①|コストが10分の1
コーヒーを自宅で淹れるメリットだけど、やっぱ一番はコスパだよね
お安い値段でそこそこ美味しいコーヒーが飲めちゃうのが最大の魅力
まあ、一般的に喫茶店のコーヒーには場所代も含まれてるからな
んで、コストが10分の1っていう根拠は?
これはもう、ざっくりな計算だよ
例えば豆の値段はピンキリだけど、街中の専門店でもだいたい200gで良さげな豆が1,000円くらいで買えちゃう
Amazonやらのネットでも同じくらいかな
あとは好みにもよるけど、1杯に使う豆を10gと換算したら1,000円で20杯はいけちゃう感じ
すると、一杯あたり50円ってとこか
まあ、コーヒー豆の品種・産地にこだわらないなら、そのくらいなイメージ
対するリアルな喫茶店は、これもピンキリだけど一杯がワンコインとすれば、自宅ドリップの原価はだいたい10分の1ってとこ
なるほど
でもさ、喫茶店はあの雰囲気がいいんじゃないの?静かで落ち着いたリラックス空間ってやつ
そうね、だからコスパはあくまで原価の話ね
あとは自宅をどんだけカフェな雰囲気に寄せられるかが勝負
例えば?
例えば、コーヒー&勉強モードの時はオンライン自習室*を利用するとか
この「自習室」系は勉強している人々の姿・手元をライブ配信する動画サービスだよ
自宅が疑似的な図書館の雰囲気になるのよ
自分は最近、Youtubeチャンネルのひとつ、【勉強動画 毎日24時間・日本初 study with me ポモドーロタイマー🍅】を利用してるよ
集中力がパナイ
ポモドーロも付いているのは便利だな
あと、コーヒー&読書タイムのときは「アレクサ、ジャズ」もしくは「アレクサ、読書、ジャズ」で、お部屋のBGMを喫茶店のメドレーに寄せちゃう
メドレー中、たまに熱唱する歌手やら主張の激しい曲が邪魔してくるけど、そんときは「アレクサ、この曲キライ」でOK
以後、その曲は再生されなくなる
なるほどな
というわけで、本物には劣るけど「図書館での勉強」と「喫茶店での読書」という演出を使い分ければ、自宅ドリップのコスパはますます上がるって寸法
リアル店舗みたく、「満席」やら「隣でマルチの勧誘をしてて成り行きが気になってしょうがない」ってリスクが無いのも良き
どんな状況だよ
メリット②|好みのコーヒーが分かる
メリットの2番目は、自分のコーヒーの好みが明確になることかな
好み?どゆこと?
助手氏、助手氏はコーヒーで浅煎り、中煎り、深煎りのどれが好き?
え、知らん……
よく分からんから、喫茶店に行ったらなんか手の込んでそうな「深煎り」をオーダーしてる
自分もそうだったよ
ここでいう「コーヒーの好みが分かる」ってのは、その浅煎り・中煎り・深煎りがきちんと好みで選択できるってこと
ふ~ん
で、それら3つの違いはなんなの?
一言でいうと、生豆を焙煎する時間の違いね、
ちなみに、「深煎り」の焙煎時間が一番長い
だから助手のイメージ「なんか手の込んでそう」はある意味正解
うむ、分かりやすいぞ
じゃあ、味の違いは?
簡単だよ
・浅煎りが酸味つよめ
・深煎りが苦味つよめ
以上
(中煎りは中間ね)
えっ、そんだけ?
むしろ酸味って表現も分かりにくいなら
「深煎りになるほど苦い」だけでOK
おお、分かりやすい
でもさ、コーヒーの表現ってもっと色々あるじゃん、ボディがどうとか、フレーバーがどうとか
「口当たりがなめらかで、爽やかな酸味が拡がった後にキレのあるコクが柔らかに駆け巡ってまるで果実のような甘い余韻」
がどうとか
自分、そんなんどうでもいい、キリッ
とりあえず、自分が浅煎り派なのか深煎り派なのか、そのどちらかが分かっていれば「初めての喫茶店」でも、「豆を購入するとき」でも大ハズレはしないと思うよ
そういうもんなの?
でもコーヒーって品種やら何やら、種類がいっぱいあるじゃん
キリマンジャロとか、コロンビアとか、訳分からん
そうね
たぶんその訳分からん原因が、コーヒー豆の分類に色んな定規があることだと思う
定規?
味に影響してくる主な定規は「品種」「産地」「焙煎度」の3つかな (たぶん)
で、お店によっては商品名が「品種だけ」だったり、「産地だけ」だったり、「焙煎度だけ」だったりと、定規がごちゃ混ぜになってるから訳分からなくなるんよ*
そう、コレよコレ
ホントややこしい
なので、コーヒーフリークの我が先輩は、「グアテマラ産のティピカのフレンチ」とメニューに表記すべし、って憤っていたねぇ
それはそれで長いな
で話を戻すけど、例の焙煎度による酸味、苦味の好みはどうやって判別するわけ?
簡単だよ
近所の喫茶店に行って、品種と産地が同じで焙煎度だけが違う3種を飲み比べるだけ
シンプルに「浅煎り、中煎り、深煎りください」でOK
さっきも言った通り、酸味やら苦味やらは気にせずに「浅・中・深のどれが好き」って分かればいいと思うよ
酸味といっても未だに上手く説明できないし
(最初は「コーヒーが酸っぱいってどゆこと?」って思ってたよ)
なるほどね
で、焙煎度の好みはこれで分かるとして、残りの定規「品種」と「産地」はどうするの?
これらもコーヒーの味に関わっているんでしょ?
取り急ぎ、どっちも無視でいいと思うよ
というのも、産地の違いよりも、焙煎度の違いの方が香味への影響が大きいそうな*a
産地による味の違いは比較的小さいので無視、と
じゃあ品種の違いは?
品種による味の違いは……ピンキリあって収拾つかないからやっぱ無視
とりあえずは焙煎度を好みで固定して、あとは色んな品種を飲み比べたらいいんじゃない?*a
この焙煎度の定規があると無いでは、楽しみ方がだいぶ違ってきたよ
ふむ、品種は「飲み比べのお楽しみ」的な要素にする訳ね
ちなみにコーヒーの品種だけど、現在普及しているスペシャルティコーヒーの祖先は元々2本の樹に由来するそうな*b
だから品種はみんな親戚ってことで気にしない、という乱暴な考えもあったり無かったり……
いやいや、味が全然違うなら品種にはこだわりたいわ
メリット③|カフェイン中毒に陥る
これ、メリットじゃないよな
そう?
てっきり助手は手先がブルブル震えて、興奮とめまいを覚えながら、ハァハァと荒い呼吸で動悸を楽しむのが好きな人かと思ってた*
んなわけあるか!!
てか、自宅ドリップとカフェイン中毒って、なんか関係あるわけ?
いやあ、コーヒー豆を選択する楽しさを覚えると、ついつい飲む量が増えちゃうよね、って話
ちなみに自分の場合は3杯目あたりからかな、手先に痺れを感じるのは、ハァハァ*
痺れるまで飲むなよな……
で、選択する楽しさって何?
そのときの気分に合わせてコーヒーの味を選ぶ、ってこと
例えば、朝から気合いを入れたいときは濃ゆい深煎りで苦味に悶えるとか
リラックスな読書のお供にするなら舌に優しい中煎りでマイルドな一杯を楽しむって感じ
自分で豆を買い始めると自然にストックが増えていくから出来る楽しさですな
確かにちょっと楽しそうだな
ストックっていうことは、コーヒー豆って長期保存できるの?
できるよ
常温だと焙煎後2週間くらいでガクンと風味が落ちるけど 、冷凍なら余裕で1ヶ月はもつ感じ
自分は豆をジップロックに移して、使うたびに冷凍庫から出し入れしてるけど、それでも風味の劣化は気にならないくらい (注: bonの味覚は貧相です)
ジップロックか、かさ張らなくて良さそうな
うん
ただしこの冷凍法、浅煎りの豆はダメな気がする
これまで2種類の浅煎り豆で試したけど、どちらも一回冷凍しただけでめっちゃ渋味が出てマズくなった
これを「ゲイシャ*」の浅煎りでやらかしたときは泣いたよ
あの不快なシブさ、まるでアタイの人生そのものだったね……
憐れな、高かったのに美味しかったのが最初の一杯だけとは……
でもなんで浅煎りは冷凍がダメなの?
さあ?
ぱっと思いつくのは、浅煎り豆は他と比べて水分が多いことかな
凍結融解の際に水の体積が増減して豆の中で悪さをする的な……ただし、自分が試した2例が偶然不幸な結果になった可能性もありけり
まあいずれにせよ、浅煎りを冷凍する際はお気を付けて、ハァハァ
おう、そのときは少量で試すわ
てかその中毒症状、大丈夫なわけ?
全然余裕
そもそも、これはコーヒーの過剰摂取による急性症状じゃないよ
単なるカフェイン断ちによる離脱症状ってやつさ
いや、ダメだろ……
離脱症状ってことは、イケない薬が切れたときの禁断的なアレだろ?
そうね
ちなみにLeonら(2013)によれば、カフェイン離脱の最初の数日間は、頭痛、だるさ、イライラなどの症状が多いそうな*1 ハァハァ
……ということはだ
今やってる「ハァハァ」は離脱症状と関係ないってことか?
ややこしいからヤメロ、変態
バレたか
ちなみにLauraら (2012)によれば、カフェイン離脱の重症度を数値化するには、下の7個の指標が有用なんだって*2
1. 疲労・眠気
2. 注意力・集中力低下
3. 気分障害
4. 社交性・仕事への意欲低下
5. 吐き気・胃もたれ
6. インフルエンザ症状
7. 頭痛
最近のbonはアンダーバーが付いている指標が特に高得点だね
最近ってか慢性的に高得点だろうが
じゃあさ、コーヒーの飲みすぎもカフェイン中毒になるリスクがあるってこと?
そうね
てか、毎日1杯飲んでる人は大概中毒になってんじゃないかな
というのも、1日100mgのカフェインを慢性的に摂取したら禁断症状が出る、って試験報告があるんよ*3, 4
ちなみにコーヒーのカフェイン量は「60mg/100mL」ね (参照: 内閣府食品安全委員会)
マグカップで飲んだら、1杯だけでも余裕で100mgをオーバーしそう
てことは、一日に何杯も飲む人ってみんなヤバいんじゃない?
どうかな? 大丈夫なんじゃない?
Suzetteら (1999)によれば、カフェインの離脱症状の程度は日常的な摂取量に比例するそうだから*4、常習的にガバガバ飲まなきゃ問題ないんじゃない?シランケド
ちなみにカナダの保健省は「健康な成人で最大400 mg/日まで」を推奨ね (マグで4杯ってとこかな)
(Health Canada Reminds Canadians to Manage Caffeine Consumption(2010))
ふ~ん
要はみんな中毒になってるかもだけど、普通に飲む分には離脱症状は軽くて問題なさそうと
まとめ
それでは今回の内容をおさらいしてみましょう
本記事のまとめ|自宅ドリップのメリット
- コストが10分の1
1杯50円で自宅を喫茶店 or 図書館に - 好みの味が分かる
まずは浅煎り、中煎り、深煎りを飲み比べ - カフェイン中毒に陥る
離脱症状は軽そう、あと「ハァハァ」はしないっぽい
やっぱ最後のはメリットじゃないわ
そういや、お気に入りの豆は見つかったの?
いまのところ、一番のお気に入りはKALDI Coffee Farmのド定番、「マイルドカルディ」だね
自分、中煎り派で嗜好が性格と同じく繊細だから、優しい味がちょうどいいのさ
しかも、この豆は200gで約600円 (≒30円/杯)という脅威のコスパ
そして鮮度にハズレ無しという点も良き
繊細には意義ありだが、売れてるコーヒー豆は回転が速いもんな
鮮度が高そうってのは賛成だわ
参考文献
*1Leon Lack, K. Johannson, Caffeine withdrawal: Cost or benefit?, 2013, Sleep Medicine 14(1):e53
*2Laura M Juliano et. al., Development of the Caffeine Withdrawal Symptom Questionnaire: Caffeine withdrawal symptoms cluster into 7 factors, 2012, Drug and Alcohol Dependence 124(3):229-34
*3Matthew Agritelley, et al., Caffeine Supplementation in the Hospital: Potential Role for the Treatment of Caffeine Withdrawal, 2021, Food and chemical toxicology: an international journal published for the British Industrial Biological Research Association 153(1):112228
*4Suzette M. Evans and Roland R. Griffiths, Caffeine Withdrawal: A Parametric Analysis of Caffeine Dosing Conditions, Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics April 1999, 289 (1) 285-294
*aコーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (著: 旦部幸博)
*b 珈琲の世界史 (著: 旦部幸博)
厚生労働省|食品に含まれるカフェインの過剰摂取について
WHO (世界保健機関):Healthy Eating during Pregnancy and Breastfeeding,Booklet for mothers,2001
内閣府食品安全委員会, ファクトシート, 食品中のカフェイン
Health Canada, Reminds Canadians to Manage Caffeine Consumption(2010)