前回のおさらい
エリンギをガチでエレクトさせたい
いまのエリンギ栽培は本当に正しいのだろうか?
彼らはもっとエレクトできるポテンシャルを秘めているのではないか?
これらはきっと当局で日常的に交わされている議題である(ハズだ)。
だが官公庁のサガかな、彼らの動きは鈍いのが現状だ。このままでは世のエリンギ達は、挿入前に萎えてしまうだろう。
もう彼らにばかりは、任せてはおけない。
彼らって誰だよ
この差し迫った危機を打開すべく、稀代のエセ科学者bon が立ち上がった。
彼は誓った。近い将来、この手でえっぐいエレクトを実現してやると。
ところが技術開発が始まるやいなや、彼は数々の難題に直面する。
試薬が無い、機材が無い、ついでに言うなら、サイエンチストの素養もない (某教授談)。
だが、彼は持ち前のてきと~気質を遺憾なく発揮し、これらの課題を見なかったことにした。
だが現実は甘くない。まもなくして彼は、寒天培地つくりで最大の壁にぶち当たる。
そう、クリーンベンチがない、という壁に。
実験機器。雑菌フリーのクリーンルームをつくりだす文明の利器
クリーンベンチがねぇ
これは培養系のラボにあるまじき状況だ。なぜなら、空気中には目に見えぬ雑菌がいっぱいなのである。
こんな環境で、雑菌1粒の混入が致命となる培地をいじくりまわしてはいけない。
これは例えるなら、そこらの路上で開腹手術をするようなものである。たまたま通りがかったオッサンが、クシャミを一発浴びせようものなら、五臓六腑が大感染フェスだ。
こんなリスキーな非常識をやっていいのは、ブラックジャックだけなのである。
果たして寒天培地はできるのか、できなければ、本企画はFIN.である。
ラボは閉鎖の危機にあった。
無理ゲーじゃね?
エレクト技術開発までの全体フロー
・花でいう「種子」をつくる作業
・グレイトな培地の開発
・グレイトな培地で培養→ すっごいエレクトの実現
寒天培地を (今度こそ)完成させる
やあ、良い子のみなさんコンニチワ。
今さらながら、ここまでに費やした金額の大きさに、ドン引きしているbonだよ。
それはさておき、今回は滅菌した寒天培地 (アツアツ汁ナウ)をシャーレに流し込む作業から始めようね。
いよいよ寒天培地を完成させるよ。
でもクリーンベンチ、ないじゃん
家計に優しいクリーンベンチ
さてさて、いま問題なのは、このまま寒天培地をシャーレに流し込むと、もれなく空中の雑菌が混入することだね。
この混入を避けるには、培地を流し込むときの無菌操作が欠かせないんだ。
雑菌フリーな環境下でのお仕事の総称。開腹の際にオススメる
そして、この無菌操作には、クリーンベンチが必要なのです。
とはいえ、クリーンベンチはお値段12万円からの超・高級品、とてもじゃないけど買えません。
詰んでるじゃん
大丈夫ですよ奥さん。ワタクシ、ちゃんと買っておきました。
感謝すべきは、クリーンベンチに代わる、家計に優しい実験機器が市販されていることです。
そして、とくとご覧に入れましょう。
これが対・雑菌用簡易結界発生装置、その名も、
アルコールランプですッ!
は?
あゝ、その目。「ナニ言ってんのコイツ」と罵 (ののし)らんばかりのその目。
ゾクゾクしますなぁ。
いやね、そもそも雑菌は空気に乗ってやって来るわけですよ。
なので、アルコールランプで上昇気流をつくると、その周辺には雑菌が落ちてこないのです (たぶん)。
しかも、アルコールランプは600円。諭吉12人のクリーンベンチに対する圧倒的なコスパ。
いかがですか奥さんッ!?
ひもじいラボだな
さてさて、スタンバイはできました。
先ほどは、雑菌が落ちてこないッ、とドヤってはみたものの、本当にこんな貧相なおもむきで大丈夫なのでしょうか?
答えは神のみぞ知る、そんな作業の始まりです。
シャーレに寒天培地をぶち込む
それでは早速、寒天培地 (アツアツ汁ナウ)をシャーレに流しましょう。
そもそも、シャーレの中はキレイなの?
滅菌済みシャーレを買ったよ。bonの瞳くらい超キレイ
というわけで、早くも作業が終了しました。なるべくアルコールランプに近づけて、フタをずらしたまま放置しておきましょうね。
フタ開いてたら、雑菌入るじゃん
蒸気をにがさないと、結露でビチャビチャになるのよ。
上昇気流、ガンバレ
それでは、30分放置しましょうね。
寒天培地、固まる
さて30分が経ちました。寒天がバッチリ固まってますよぅ。
これで、寒天培地うすしお味の完成です。
市販寒天で代用したため、ナゾ物質 (塩やら)が混入している
ホントに使えるの?
さあ?
振り返ると、ここに来るまでメッチャ長い旅路だった。なんか知らんうちに、4記事も書いてしまいました。
ですが、これでようやく種菌つくりが始められますね。
次回はいよいよエリンギ・クローン (種菌の種菌)をつくっていきますよ。
お楽しみに。